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kinki kidsと板野友美ちゃんとリラックマが大好き(*^^)v
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お久しぶりです。皆様。
またもや、またもや素敵なSSをいただきましたよ。

今回は青蛙さまです。
こちらのイラストにSSをつけてくださいました。


oreie1.jpg










今回はBL風のSSですっ(≧∀≦)
私がBL風もちょっと読んでみたい~とか言ったら、心やさしい蛙さまはしっかり私のハートを受け止めてくださいましたよ(ぇ?)

ではでは、さっそくご紹介。
お楽しみくださいまし^^

**********


「夏と少年」


 梅雨の合間の太陽は思っていたよりも日差しがきつくて刺すように感じる。

5月と違って、爽やかでもない背後に雨雲を隠し持っているような不穏な晴天。

「あっちー、上脱いじゃおうかなぁ・・・・」

 そう言って後ろからついて来る自分より頭ひとつ大きな少年に頭だけ向けた。

「やめとけよ、急に焼くと後で大変だ」

 冷静な声がしてなんとなくおもしろくなくて「ちえぇっ」と呟いた。期末テスト前の1週間。あっという間に

過ぎてこの土日が過ぎれば、月曜からテストだった。そこで二人して近くの図書館に行こうと朝早くに

待ち合わせしたのに、親友の杉田は僕の顔を見るなり不機嫌になっていた。

(なんだよ、一体。僕が何したって言うんだ)

 実は本当のところぼくは今日をとても楽しみにしていたのに・・・・。

 中学になってサッカー部に入った杉田はそれこそ毎日サッカーまみれになって小学生のときのように

 放課後一緒に帰る、なんてことはすっかりなくなった。

 僕は、ただグランドを横目で見ながら帰宅する毎日だった。

 小学生時代の僕は今よりずっと華奢で小さくて運動オンチで病弱――まるで苛めてくださいと狼の前に放り

出された羊みたいで、当然悪がきどもの攻撃対象になっていた。

 体を丸めて奴らの蹴りから身を守っていたある日、もう一発足が飛んでくるだろうと思っていたのに

急に他の場所から「いてっ」とか、「どすっ」とか音が聞こえて、びくついている僕の背中に暖かいものが

置かれた。

「おまえ、少しは抵抗しろ。でないとずっとやられるぞ」

 その声に顔を上げた僕にその子はにっこりと笑った。それが僕と転校生の杉田との出会いだった。

 ナイトよろしくいつも側に杉田がいたせいで、その日を境に僕はいじめから解放された。そんなことも

あって僕にとって杉田はあこがれの存在だった。

 勉強も出来て、運動神経も抜群の杉田は誰にでも好かれる。誰にでも親切で、誰にでも話しかける。

だけど僕はそれを見てだんだん苛々としていた。

(僕が一番じゃない)

 自分でも醜いと思って我慢してきた。嫉妬だと思うと情けなくもなる。何をやってもダメダメな僕の

友達・・・・いや、そう思っているのは僕だけなのか。

 きっと、杉田には大勢いる中の一人なんだ。毛色の違う変わった奴・・・そういう位置付けで。

 そう思うと苦しくて自然にメールもしなくなって、わざと登校時間をずらしたりするうちになんとなく話も

しなくなった。

 それなのに、未練たらしく視線はいつも杉田を追っていた。

 ペンをくるくる回しながら考え事をしている杉田。

 隣の女子が杉田の肩をつついて話しかけているのを笑ってかわす顔。

 後ろの男子がふざけて首に腕を回してきたときに抵抗するように曲げられた腕の筋さえ、目が

離せなかった。

 「明日、久しぶりに一緒に勉強しようぜ、佐々木」

 そう言われて思わず「わかった」と応えてから・・・・やっぱり断ろうと立ち上がった僕は、背中を向けた

杉田に声もかけられなかった。





 無邪気を装って歩く僕の背中に大きなため息が聞こえた。

「やめた、図書館行くのやめて、俺ん家で勉強しよう」

「え? 何で?」

 振り返ると、杉田はすでに歩き出していた。

「何でだよ、今日は朝からなんか怒ってるし。理由を言えよ、理由」

「・・・・・・・・」

「おい、杉田っ」

「おまえが・・・そんな格好してるから」

「え? ガキっぽかった?」

 お子様な格好をした僕と歩きたく無いってことかと落ち込む僕に充分に躊躇ったあと、杉田の声が

頭に降ってきた。

「足とか、背中とか見せてんじゃねーよ! 行くぞ、こらっ」

 首根っこを押さえられるように、大きな手が首に回されて引きずられるように僕は歩かされる。

「悪かったよ、ガキみたいな服着て。だから離せよ、おい、杉田」

 杉田の家の玄関に引き入れられてやっと手を離した杉田がぼそりと言った。

「おまえさ、今日の格好は俺以外には封印しろよ。自覚ないのにもほどがある」

「え? それはどういう意味?」

「似合ってるって言ってんだっ、ばかっ」

 赤くなった杉田の顔を驚いてみている僕は、奴の言ったことが後から体にしみこんできた。

 似合ってる・・・・そう言われただけなのに心臓が痛いくらい跳ねている。

 どうか、バレませんようにと思った僕の手が杉田に掴まれて腕の中に引き込まれた。

「ごめん。今だけ動かないでくれ。もう少ししたら、殴っていいから。気持ち悪いって思っていいから」

 苦しそうな声が降ってきて、僕は自分が言ったのかと思うほど胸が痛くなった。



********

かっぁ~。ラブだね。ラブ(*^∀^*)
杉田君がいいですよね。「似合ってるって言ってんだ、ばかっ」とか、せっぱつまった感じがナイスです。最後のセリフとか切ないよね~><
佐々木君はまだ自分の気持ちに気づいてない感じが可愛いっす。がんばれ杉田君もうひと押しだ!
と、応援したくなります。

青蛙さまっ!! 素敵なSSをつけてくださりありがとうございました。

掲載許可もいただけて幸せでございます。

こんな素敵SSを書かれる新婚青蛙さまのブログはこちら。
蛙の住処
http://aogaeru-1114.at.webry.info/


素敵なイラストも見ることができますよん。


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早村さまへ捧げる天使さん。
天使さんの詳細はこちら↓

NAME
第四番目 ツァドキエル/Tzadkiel

TITLE
慈悲の天使

LOAD
ケセド/Chesed

APPEARANCE
耳が隠れるほどの長さの金髪の少年。
白銀に近いほど薄い金色の瞳を持つが、常に目を閉じているためにそれを見られる者は少ない。
いつも悲しげな笑みを浮かべている。
簡素な白のローブに身を包み、背には一対の白い翼を持つ。

OTHER IMFORMATION
別名「無償の愛」。
非常に温厚で、争う事を好まない。
攻撃力はないが、死者をも蘇らせるほどの癒しの力を持つという。
敵味方関係なく慈悲を施し、魔界の存亡にも心を痛めている。
そのためかメタトロンにはよく思われていないらしい。
その代わり、護りを得意とするハニエルとは仲がいい。


う~ん。なかなか思い通りには書けませんでした。
前の悪魔さんの方が、上手くかけた気がします。気がするだけでしょうが。。。

とにかく、大きいサイズはこちらです!!
tzadkiel.jpg











早村さま。おそくなってすみません。とりあえず描けました^^
今回は描かせていただいてありがとうございました!!


とりあえず、小説を書かなきゃまにあわないので、今から書きに入ります!!
しばらくは更新できないかも知れませんが、みすてないでくださいね~。ではでは。

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皆様、たいへんでござ~ますわよっ。
どうしたんだい、奥さん。

いえね、またイラストにSSをつけてくださった方がいたんですってよ!
なんだって~、そんなありがて~ことしてくださったのはどこの誰でぃ!

伽砂杜ともみさまとおっしゃってよ。
おお、そりゃありがてーこった。さっそく拝読しようじゃねーか。

このイラストにつけてくださったSSです。
oreie1.jpg










それでは、始まり、はじまり~。

***

「マーメ! マメー! ったく、どこいったんだよ」

 さんさんと降り注ぐ陽の光は強く、その暑さは時間がたつにつれ、急上昇している事はたしかだろう。
 ぼくが探している者は、外飼いしている愛犬のマメ。
 首輪を変えても、鎖を変えても脱走するマメに、いつも家族は総出で探すはめになっている。
 季節は夏。これ以上気温が上がってしまえば、アスファルトで固められた道路は高熱をもち、マメの肉球を焼いてしまうだろう。
 大きくため息をついて、大きくマメの名を呼び続けた。

「マメター、マメオー、マメタロー」

 適当に声を出し、中型犬の彼を探す。
 少し離れた畑の道に出れば、薄茶色の彼が地面に背中をこすりつけていた。

「マーメ!」

 怒りを含んだぼくの声に、大慌てで起き上がるマメ。
 確実に怒られると分かっている彼の、あまりの様子に笑ってしまったが、ここはシツケ上怖い顔を崩すわけにもいかない。
 ぼくは眉をつりあげたまま、マメに近づけば、身をひるがえして逃げようとする。

「マメー!」

 低い声で、逃がさんという気合を込めて呼べば、観念したようにマメはうなだれた。
 長い尾はたれ、耳もさげられ、申し訳なさそうに上目遣いをしてくるマメ。
 かわいいじゃないか。と笑いたくなったが、怖い顔怖い顔!
 リードは母さんが持っていったため、マメの首根っこをつかんで歩き出す。

「ごはん前に駆り出されたんだぞ! 少しは状況を踏まえて脱走しろよ」

 いや、そもそも脱走してはいけないのだが。
 マメは素直に「ごはん」という言葉に反応して、家へと向かって走り出した。

「こ、こんのっ……! マーメーっっ!!!」

***

どうですか~。わんことの日常が垣間見れるヒトこま。マメ可愛い~。なでなでしたいっ!!
ぼくがわざと怖い顔するところとか、かわいいと思いつつしつけする姿がリアルでした。ほのぼのシーンに癒されますよね~。

伽砂杜さま。すてきなSS本当にありがおとうございました。
わたし、こんな幸せでいいのかしら><

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まず最初に。

拍手ぽちっとしてくださっている皆様ありがとうございます≧∀≦

昨日、小説を書いている合間に、ブログを見に来たら、ちょうど6000でした。
まあ、私が踏んだわけではないのですが(私がみてもカウントされないように設定したので)なんだかうれしかったので、小説そっちのけでお礼絵を描きました。

フリーなので、もらってやってくださいまし。
もちろんいらない人はスルーの方向で(笑)
HPにも載せました。

ではでは、さっそくこちらでやんす。

バイーン
furiira2.jpg










久々の女の子です。
夏っぽいイラストになったかなぁと自分では思ってます。
これはラフにそのまま色をつけているので、線画雑です。すみません。
いつもと違う塗方をしています(アニメ塗り?)
女の子かくとついつい胸を大きくしてしまう。。。
なかなかいい表情になったかなぁと思います^^

HPフリイラに文樹妃さまがSSをつけてくださいました。
そちらは先ほど記事としてアップさせていただきました。文樹妃さまありがとうございます!!
素敵SSはの記事からごらんくださいまし!!すっごく甘酸っぱい感じです。ニマニマしながら読めますよ。

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小説ですが、イラストにつけていただいた小説ということで、カテゴリーイラストのお部屋にしております。
なんとなんと、前記事に書いておりますフリイラに、なんとなんと文樹妃さまがSSをつけてくださいましたっ。
どうしよう、本当にうれしいです。
イラストはこちら↓
oreie1.jpg

SSいただけるということなので、ここにババンしちゃいます!!

ではご堪能ください!! 






――傘、持ってくるの忘れたなぁ。やだな、今にも降ってきそう。
 梅雨入りしたばかりのジメジメした空気に眉を寄せて見上げた空の下、まだ三日目のバイトの帰り道、思いがけず見つけた爽やかな色にあたしは足を止めていた。
 白いつなぎのショートパンツに、薄いグリーンのTシャツ。
 どんよりとした空とは正反対の組み合わせを着こなして、笑ってくれたのはいつもの顔。

「よっ! お疲れ」
 何食わぬ顔でポケットから片手を出して、歩み寄ってくる。
「圭くん……びっくりしたぁ、なんで?」
 我ながら愛想のない返答。きっと表情なんて、これっぽっちも変わってないんだろう。
 圭くんは案の定、不満そうに唇をとがらせる。
「なんだよぉ、全然嬉しそうじゃないじゃん。喜んでくれるかなーと思って、こっそり待ってたのに」
「またまた。どうせ由美に聞いたんでしょ? 待ち伏せするなら由美のほうをしてあげればいいのに。きっと喜ぶよ」

 自分でも可愛げのない言い方だって思う。
 双子なのに、由美とは正反対の性格。
 ――素直じゃないんだ、あたしは。
  
 ホントは心臓が飛びはねた。
 だって、こんなところで会えるなんて思わなかったから。
 ……ううん、それだけじゃない。
 でも、そんなこと、言えるわけない。
 言っちゃいけない、由美のためにも。
 
 心の中を見透かされないように、あたしは笑った。
 圭くんのただの『クラスメイト』として。
 あくまで、仲がいいのは由美。そしてあたしはそのおまけ、なんだから。

「あのさぁ、留美ちゃん……」
 何か言おうとする圭くんの言葉にかぶせるように、あたしは続けた。
「それにしても、日曜なのに本当にどうしたの? 色々予定とか、あるんじゃないの?」
 圭くんの瞳を見ずに、立て続けに聞いてしまう。
 本当は聞きたくない答えなのに、予想を立てることで自分に言い聞かせてる。
 きっと圭くんは気まぐれで、ちょっと通りかかっただけだとかで、あたしなんかに興味があるわけなんか……ないんだから。
 
 期待しちゃいけないのに、心は理性を振り切って、優しくされるたび、喜んでしまう。
 舞い上がってしまう。
 もしかしたら――って。
 ねえ、だから……優しくなんてしないで?

「か、彼女とか、好きな人とかいるでしょう? あたしなんかにかまってないで、本命一本に絞ったほうがいいよ? じゃなきゃあ、誤解されたりしたら圭くんが困る……」
 今にも雨粒が落ちてきそうな真っ黒い空に引きずられたように、思わず出てきてしまったあたしの本音。
 本当の本音とは違う、建前の本音。
 どうしたんだろう、あたし。
 いつもなら、適当に笑って離れるのに、ごまかせるのに……。
 今日はバイトでいやなこともいっぱいで、ストレスも限界で、いつもみたいに笑えない。

 ――でも、本当はずっと思ってたのかもしれない。
 こうやって時々あたしに分けてくれる圭くんの時間が、特別なものなんかじゃないんだって、きっぱり言ってほしかった。
 残酷に切り捨てて、あきらめさせてほしかった。
 あたしの中のじめじめした気持ちに、けじめをつけさせてほしかったんだ。

 圭くんは一瞬呆気にとられたような顔をしてた。
 見るのが怖くて、すぐに目をそらしてしまったけど――首もとのネックレスをいじっているようなのは、気配で感じた。

「……留美ちゃん」
「う、うん」
 その声が真剣で、あたしはすぐに後悔する。
 やっぱり、いつもみたいに笑えばよかった。
 なんでもない顔で、ただの『クラスメイト』としてでも付き合えるように、未練がましくても、由美の次でもいいから、時々こうやって話して、こっそり喜んでいればよかったのに――。

 今更手遅れ。
 馬鹿なあたし。
 もう、圭くんの気まぐれも終わりなんだ。

 あたしの涙がぎりぎりであふれる前に、空からポツリと冷たいものが落ちてきた。
 ポツリ、ポツリと次第に火照った道路を冷まし始める雨粒たち。
「留美ちゃん、こっち――!」
 予想外に強く引っ張られた手は、勢いにのまれて抵抗もできず、あたしはいつしか圭くんと一緒に走っていた。
 しっかりとつながれた手は、離そうとするわずかな動きすら許さないほどにぴったりと密着していて。
 さっきまでの悲しさが急にドキドキに変わっていって、あたしはもう言葉すら出せなかった。

 たどり着いたコンビニの前、一つしか残ってないビニール傘を買ってきた圭くんが怒ったような、なんともいえない顔であたしを見る。
 ずいっと差し出された傘に、戸惑いながらあたしは入る。
 つないでいた手のぬくもりが冷えて、変な寂しさが残った――なんて思う自分に戸惑ってたら、圭くんがあたしの肩を無言で引き寄せた。

「濡れるから、もっとこっち入りなよ」
 それだけ言った圭くんに、あたしはどぎまぎしながら近寄って。
 雨の中を歩き出す。
 
 しばらく歩き続けて、ようやく雨がやみかけた頃、地下鉄の駅に着いた。
「あ、ありがとう……も、もういいから」
 ずっと肩に添えられてる手は、大きくて優しくて――なんだかいつもの圭くんじゃないみたいで。
 あたしはきっと赤い顔をしてたと思う。
 黙ってた圭くんが片手を離して、あたしはほっとすると同時にまた悲しくなる。
 勝手な自分に苦笑しながら、圭くんの答えを待った。

「――留美ちゃん、これ知ってる?」
 唐突に圭くんが掲げたのは、自分のつけてる木製の飾りがついたネックレス。
 首を振ったら、圭くんはちょっと笑って、それから真剣な顔をした。
「あのさ、今、ネットで流行ってるお守りなんだ。チャーム、とかいうやつ。恋が叶うんだって評判でさ」
「へ、へえ、そうなんだ」
 笑いが固まる。頬が強張る。
 でも笑おうと努力するあたしをじっと見つめていた圭くんは、傘を閉じながら空を見上げた。
「俺が好きな人ってさ、こんなイメージ」
 言って圭くんの優しい瞳が映したのは、曇り空の切れ目から優しい光が差す光景。
 それは誰なんだろう、由美なのか。それとも他の誰かなのか――。
 また泣きたくなりかけたあたしは、手をとられて驚いて顔を上げた。
「このチャームには、好きな人のイニシャルを入れるんだ。ほら、見てみて」
 木製の丸いフォルムがあたしの手に落とされる。
 怖い気持ちのまま、それでもごくりと息をのんで――見つめた先には、R、の文字。

 目を見開いたあたしに、圭くんは笑った。
「これだけ言ったら、わかってくれる……? ずっと今までアピールしてるのに、気づいてくれないんだもん。俺さ、見た目より、結構シャイなほうなんだけど」
「う、嘘……」
 口をついて出た言葉はなんとも間抜けなもので、圭くんは笑って首を振る。
「嘘じゃないよ。俺が好きな人、一度しか言わないからよく聞いて?」
 薄いグリーンのTシャツより、爽やかな瞳で笑いかけて、圭くんはあたしの耳元に唇を寄せた。
 
 
 



 おわり

***************

いかがでしたか? 
さわやかな青春の一ページって感じで、もうニヤけながら読んじゃいました。
もう、すっごく可愛い主人公の女の子><

こうやって、オリジナルイラストにSSつけていただくのって、初で、幸せサプライズでした。

すてきな小説を書かれる文樹妃さまのブログはこちらです。

文樹妃の独り言。
http://munjuhee.blog.shinobi.jp/
GOですぞ^^

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